吉利号のこだわり
「厳選した魚卵へのこだわり」
私たちは今でも海で獲れた魚の卵だけを厳選して使用しています。風味に影響する重要な部分のため、八十年来こだわり続け、養殖業が盛んな現在でも変えていません。毎年冬に黒潮が南部で合流しますが、暖流の温度はボラが抱える卵を甘くふっくらと成熟させます。これが極上のおいしさを生み出す秘密です。冬の早朝の買い付けは工芸の始まりでは、長年の付き合いがあるだけに、信頼のおける漁師のもと、いつも新鮮な魚卵を選び、最高の品質を確保しています。
[日陰干し、336時間のこだわり]
独特な深みのある風味は336時間の日陰干しによるものです。安平は一年中暖かい日差しと潮風が吹く南部に位置しており、絶好の製作環境が整っています。「日陰干し」の過程で私たちは同業者の2倍以上の時間をかけ、手間をかける製作方法を採用しています。そうすることで日差しと潮風の香りが魚卵と完璧に混ざり合い、魚卵に含まれる脂をまるでチーズが熟成したように深いコクのある甘味に変化させるのです。この巧みなバランスは、歳月に蓄積された経験から生み出されたものです。私たちは時間をかけ、天然の美味しさを完璧なまでに引き出しています。
[少量で慎重に製作し、品質へのこだわり]
量産せず、手間をかけて念入りに作り上げています。少量しか作らないのは品質を確保するためです。海で育った魚は食料や運動量などの影響を受け、身がしっかりしていたり瑞々しかったりと飽満度や含水量が養殖物とは大きく異なっており、それぞれの魚卵は見た目が似ていても違うものです。その素材に応じた作り方で、はじめて魚卵の違いを最大限に引き出すことができます。手間をかけることも最も快適なスピードで、また心を込めたこだわりです。
[17工程のこだわり]
おいしさの秘密は、17に及ぶその工程にあります。これも私たちが最も誇るところで、その工程では、他に真似できない厚さに仕上げ、天然の甘さのある脂を中に閉じ込めます。また魚卵に応じて重さを増減させて加圧をしています。厚みがあり緊密に結びついた魚卵は、驚くほどしっとりとした食感をもたらします。最高の天然からすみと褒め讃えられているのも、その秘密によるものです。
おいしさは心理的な感動です!唇、歯、声帯を振動させて発する音、おいしさの裏に隠されているのは伝統の技を受け継いだ職人の心です。以上の紹介を通じて、私たちのまるで変わらないこだわりをご理解いただければと思います。